もし:ゆるい幸せがずっと続いてしまったら

何ともない日の夕方に

いつものカフェで作業をしていたら

たまらなく寂しくなったので慌ててブラウザを立ち上げて

ソラニンを聞いてみた。

 

「思い違いは空の彼方」で始まる有名すぎるこの曲は

どんな時に聞いてもダイレクトに刺さってくる。

映画の中で歌う宮崎あおいちゃんの声がまたすごく綺麗で

嫌な思い出も辛い記憶もある曲だけど

全ての曲の中で一番好きだ。

 

大学生は世の中で一番贅沢な職業だ。

職業欄に大学生と書く時、1文字ずつ確かめるように書く。

 

たまに起きられない授業とか

辞めたいと言いながら続けるバイトとか

他愛ない友達との会話とか

たまに酷く酔っ払う飲み会とか

陽が昇るまでする夜更かしとか

朝イチの空いた映画館とか

思い立って出かけるカフェとか

急に逃してしまう終電とか

好きな時に好きなことをしてしまえる

色んな特権を与えられた職業が大学生だ。

世界で一番時間を持っていて、自由で、どこへでもいける。

 

これから社会に出る40年間の前に、

人生で一番自由な4年間を与えられる。

これは本当に恵まれたことで、

大学に行くことを許してくれる環境とか

学費を払ってくれる親とか

自分だけでは絶対にありえない貴重なもの。

 

こんなゆるい幸せが一生続けばいいのに

だけど「例えば」この幸せがだらっと続いてしまったなら

何年も何十年も続いてしまったなら

それは子供料金で入る遊園地のような

ずるさを持ち合わせた意味のないものになってしまう。

終わりがないほど怖いものなんて世の中にない。

 

ゆるい幸せは長く続かない、終わりが来ることを誰もが知っているからこそ、幸せであり特別なんだと。

さよならだけの人生かもしれないけどその中で私たちは幸せを探しながら悩みながら、今日も明日もなんだかんだ生きてくんだろう。

 

気がつけば3年生になっていて

やりたいことをやるだけではいけない年になっている。

悪い種が芽を出さないように、色んなことからさよならしなきゃ。

この特権を、幸せを捨てる勇気を。また違う何かを探さなきゃ。

ああでもまだもう少しだけ、ゆっくり、だらっと、していたいなあ。

 

そんな日でした。